エイムズの部屋の床模様一考 [イベント]
エイムズの部屋を2年ほど前に実物で作りました。その時に床の市松模様をいろいろ考えて作ったわけですが、なんと、2年も経つとどう考えていたのかすっかり忘れちゃいました。歳ですね〜。そこで今回備忘録として私もあなたも分かるように記事で残しておくことにしました。良かったら見てやって下さい。
( ryo yamakiさんのご指摘で気づきました。ありがとうございます。)
早速解説?です。そしてめちゃ長いです。すみません。
私の場合はコンパネを基準に作るため、そのサイズにこだわった事を最初にお断りしておきます。
コンパネは三六判で90cm×180cmと分かりやすいサイズ。それをエイムズの部屋の床に作ると上記の図のように下の段に3枚、上に三角状態で置けばいいんです。いや、そう考えたんです。
すると、左側を1とすると右側の長辺は2となります。これがいい感じのサイズですね。やりやすい。
そこでエイムズの部屋で覗き穴と言われる場所を作るのですが(設定する)、それがどこにすべきかです。私は参考にしたものがhttp://homepage3.nifty.com/maruhi/materials/amesroom/index.htmlでしたので、左側から1/3の場所にしました。上図の目玉の所。部屋からどれほど離れた位置がいいのでしょうか。これは参考にしたところにはなにもないので、私が勝手に判断して距離を取りました。一応は90cmを目安ですね。
市松模様にすべく考えます。最初は横方向を考えます。
上図のようにエイムズの部屋で見かけ上の壁(通常ならそこに有るであろう壁)に等間隔に模様がアレばいいはずですよね。ですので、そこを左右の間に11等分しました。なぜ11等分なのかというと偶然です。実際にはエイムズの部屋の市松模様ドットパターンは8個と考えていますので、次に説明します。
これは結果的に11等分だという図。おそらく、次に説明する8等分と残り3頭分は計算式を考えれば出来ると思います。
それでは8等分の意味です。
見かけ上の壁は実際には斜めの右奥になった壁です。その壁の左右の両端までが実際に必要な等分になるようにみえる市松模様のドットを作ればいいわけです。すると、上図の左右の両端を太い赤ラインにしました。この間を見かけ上の壁を等分にすればいいので、8等分にしたというわけです。
8等分の見かけ上の壁に私のアイコンを並べた。
この様にエイムズの部屋では見えるよう部屋をトリックするわけです。
実際のアイコンはどうなるのかの図です。
等間隔の一つを一番変形が大きいところで比較です。奥にあるのが立ち位置から見た時の見かけ上の壁に見えるであろうアイコンなはずという図です。実際の奥の壁が斜め右奥に伸びているので変形が面倒ですね。
さて、横は設定出来ましたので、次は縦方向です。
縦方向も見かけ上の壁を設定すればいいのだろうと勝手に判断しました。その時の拠り所はやはりこの部屋の特徴でも有る奥の壁が斜め右方向に奥まっている形なのでそれを利用すればいいかなと。
図を見ればわかると思いますが、奥の壁と手前の床の端とが左側で交差する地点をもとに設定をします。
ただ、実際作ってみておもうのはこれももしかすると?マークの地点にすべきだったのかもしれません。
見かけの壁は私はコンパネでつくるので右側からコンパネ二枚を並べた(正方形になる)ところの対角線上に作ると調度良いと判断。実際にはどうなんでしょうね。微妙に違うと思うんです。が、知識もなにもないのでこれで判断しました。この見かけ上の壁に市松模様の縦方向の8等分を設定します。
これで市松模様の考え方は終了ですね。
本当は、立ち位置から見えるパースは厳密には曲線と縦横高さの3D空間で判断しないといけないはずです。視野角との兼ね合いもあるでしょうから、どのようにすればいいのかと製作者側がどの様にしたいのかでいろいろな設定になるように感じます。
それでは実際に作った市松模様を作ってみます。
まずは横方向の分割です。
赤色ラインは説明したとおりです。そのラインに奥の実際の壁との交点をそれぞれ垂直線を引きます。
緑色のラインが実際の市松模様の横方向の分割ラインです。
余計なものを除くとこんな感じ。
次は縦方向です。
こんな感じになります。
そして、縦横を合わせます。
ほら、市松模様が出来たでしょ。
白黒のパターンをハメてみます。
こんな感じ。
綺麗にします。
背景の残骸模様は無視して下さい。
実寸も書いてありますが、これを元に人がいいエイムズの部屋を作りました。
また、このラインを描くのに、コンパネの縦方向の高さも有る状態で6分割して運搬できるようにしましたので大変でしたが、この運搬できるようにするという前提があることが今回の市松模様のライン取りのヒントになったんです。見かけ上のの横に配置した壁の感覚は11等分でいいわけですからコンパネの手前3枚の上辺にポイントを作りそれを延長すれば終わり。横は、コンパネ手前3枚の内の右側から二枚で正方形になることからその対角線を引いてさらに延長した長さを8等分したポイントを作れば目安は終わり。
というなんとも勘で作った市松模様です。
私はいろいろとこういうことを作るのが面白くてやったりするのですが、その時には今までの経験と美術の透視図法(建築でもいいけど、美術の方です。)を元によく絵も描いているのでその発想と経験とで判断しましたよ。
見せかけの正方形の部屋を作ればいいわけで、まあ人間の感覚ってある程度適当なファジーなところがあるので、こんな風に適当にやってもそれらしく見えるんです。
それから、市松模様ばかりではなく、わざと3本線のラインも入れています。これも歪んだ空間を正常の空間み見せるためのトリックなので必要なんです。窓もわざとらしい同じ大きさと同じ感じにするというのがそこに意味があるわけです。
ということで、エイムズの部屋の市松模様パターンを作った備忘録でした。次回なにかあるかなあ。無いだろうなあ。(笑)
2014-12-20 09:58
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コメント(2)
doudesyoさん、こんにちは。
少しお返事が遅れてしまい申し訳ございませんでした。
ここまで丁寧に、そして文面という伝えにくい手段だったのにも関わらず、精細に具体的にどのように作成したかが伝わりました。本当に感謝致します。
・?マークを交点にすればよかったかもしれない
・見かけの壁は私はコンパネでつくるので右側からコンパネ二枚を並べた(正方形になる)ところの対角線上に作ると調度良いと判断
という気になる2点は、私が数学を用いて座標空間上での計算で確かめたいと思います。年明けには結論が出せるよう精進しますので、判明しましたらまたブログの方にお邪魔させていただきますね。doudesyoさんの作品は床面の左の辺と右の辺を1:2で作成されたんですね。私は1:3でも作成してみましたが、どちらもうまくいきました!比をあれこれ変えても面白そうですね。
話を戻しますが、改めて長文と図による説明、急ピッチでの突然の申し出への対応、お忙しい中でのご返信をしていただけましたことに誠に感謝致します。
本当にありがとうございました!
by ryo yamaki (2014-12-23 14:00)
ryo yamakiさん
今晩は。
このエイムズの部屋を研究しようとは考えていなかったのですが、現実問題で実践しなければならなかったので仕方なく?企画構成を考えてやってしまいました。ところが思ったほど難しくもなくまた意外なほど驚くということが実感出来ましたので是非ともいろいろなところでやってもらうと楽しいのではないかと思いその時ことをアップしました。ところがいざ2年以上もたつと忘れてしまうことって多いものなんですね。自分でもびっくりしました。
エイムズの部屋の錯視が面白いからこそこうやって実践しましたが、ryo yamakiさんのように数理的に追求し証明していくということを通して検証しておくべきだなあって改めて思いました。ぜひとも後ほどその成果を見せて下さい。見てもわからないかもしれませんが。^^;
by doudesyo (2014-12-25 21:59)