SSブログ

漫画で違和感がこれほど感じたのは初めてかも [現状報告]


IMG_9102.jpg
 「美味しんぼ」は好きな漫画です。この漫画で最近原発問題を取り上げているらしい。いるらしいというのは、読んでいないからだ。作者の作品の導入としてはとても成功したといえるかもしれない表現「鼻血」が話題になっているらしい。次回には更に何やら動きがありそうですね。さてその鼻血による現象と事故を漫画で取り上げている事が私には違和感があります。


 原発事故当時、自分も含め人生の中で物凄い喫緊の判断を要し、正確な情報もなく、物流が全てストップする中で家族を守れるのか、将来も安心してやっていけるのか、判断を迫られていたことを思い出します。その様子はこのブログでもずっと記載しているので繰り返さないけど、今まで頑張って幸せになっていた生活がいきなり分断され、離婚までさせられ、生活を追われてしまう人がいる事実を私も迫られていた。友人も県外に家族ごと移住しどんどん分断される感じがしました。
 その場で実際に体験した自分にとっての真実と後から取材で真実と言われて報道される(今回は漫画で)内容の奇妙なズレ。
 その当時もこのズレた感覚があり、やきもきしている自分が今もいるんですね。これはどうしたことでしょうか。情報がネットでも自由に取得できるだけでなく発信も出来る今でさえこんな感覚に陥る。原発事故以後には政治的にも思想的にもいろいろな動きが背後にみえかくれしていたこともあり、混乱が続いていたのはおそらく事実と思うけど、3年後にまたこの話題を持ち出す意味は果たしてどう捉えるべきなのか。体験した側から考えるにとても素直に受け入れることのできない表現だからだろうなあと自分では思います。自分は鼻血どころか倦怠感もせず、逆にこれではこれからの人生が駄目になると活発に動きまわった程。動きすぎて左眼を失ったけど。
 もう一つ、漫画の作品で表現することがマスメディアなどの報道の影響という(権力とかそういうのは今は別にして)社会現象となり如何に大衆誘導へと影響することができるのかという違和感がさらに追い打ちをかけているからさらに思うのでしょう。私も少なからず表現することに片足を軸にしていますが、以前より漫画の表現による影響を児童生徒の年齢によらず大人でも影響があることが人格形成に及ぼすと感じております。だからこそ出版各社や報道機関などは一定のガイドラインをもっているはずですが、それでもそのガイドラインを越えて影響が強い感じが最近の漫画にはあるように感じてなりません。これは私個人の感覚ですから、現在の漫画は法的にもガイドライン的にもきちんとしているはずです。そんなところに「美味しんぼ」のこの表現です。表現自体は原発事故がなければまたそれを結びつけるように仕向けなれければ問題はありません。それが新聞にも登場したり、福島県の各団体からの抗議等へと発展したりする内容を作者の意図で取り上げそして社会現象(私から見れば立派な社会現象なのです)にまでなりうる漫画という表現。架空のものであるという前提であればまだなにも問題ではありませんが取材をしっかりしてのことであると言われているので、単なる漫画という範囲ではないように思います。ここまでの影響力をもつ漫画による表現が私の中では違和感があります。かなりの人に読まれる人気のある漫画であるだけにこれからを注視していきたいですね。
 今回自分のブログにこの記事を書こうと思ったのは今までの自分の中の違和感によるところがとても強くありますが、もう一つ、原発事故により故郷をなくし、住居生活全てを奪われ、今も仮設という生活空間に押し込められたままの街と人々がいることを毎日見ているからです。写真は道路標示版に街が書かれているのですが消してあります。3年たっても目の前で苦しんでいる人々がいるんですよ。それを目の当たりにしてですから、記録として3年後にこのような漫画が出てきたことを書き留めておこうと思ったからです。
 漫画はまだ始まったばかりのようです、つかみは良くも悪くもOKでしょう。これからの展開を見守りつつ無意識も含め悪意のないことを祈りたいです。
nice!(8)  コメント(4) 

nice! 8

コメント 4

taro-u

決して原発事故は終わっていません。実際自宅の庭の線量はまったく変わっていません。3年ちょっとで帰郷できるようならチョエルノブイリでは全員また昔のように生活出来ているはず。アスファルトのように表面のごみなどが雨と一緒に流れるところは下がるでしょうが土や雨水が集まるところでは変わらない。実際に線量を測るのも数分の時間がかかってしまうのと少しの場所の変更でも数値が変わってしまうので難しい。心ある行政は近隣の市民には積算の線量計を貸し出して個人個人の被爆状況計測するべき。その中で生活している自分は、核廃棄物を作り出す原発を再稼動させる原子力村の人たちが悪魔に見えてしまう。
by taro-u (2014-05-12 06:07) 

doudesyo

taro-uさん
今晩は。
放射能汚染については言語道断の現状ですよね。現状は住んでいる人が一番良く分かっています。美味しんぼはたった2年間しか取材していないらしいですよ。私も同じく計っていますから放射線量が無くなることはありませんし、高線量地域はそうそう無くなるとは思っていません。実感できますからね。
ただ、今回の美味しんぼはあきらかに福島県を貶めようとしているので、温厚な私でも怒りがこみ上げつつあります。私の個人的な見解などまったく誰にも影響を与えませんが、美味しんぼの作者の一人の見解は大手出版社とともに多大な影響をもって私に、福島県に攻撃をすることが出来るんです。
これは作品としての表現を越えています。実名が出て実社会を相手に2年間の取材を元にドキュメントとして話を作っているため、架空のものという事にはならず、明らかな悪意を持った表現であると判断しています。
美味しんぼは福島県に現在住んでいる人は情報も何も分からない愚かな人だといいたいのでしょうか。5月19日発売?まで待てと言ってるのでまだおとなしくしていようと思います。^^;
by doudesyo (2014-05-12 21:25) 

yes_hama

すみません。「美味しんぼ」、これまで一度も読んだ事がありません。m(_ _)m
グルメ漫画だと思っていたのに、なんで?って感じですごく違和感があります。
これまでdoudesyoさんのブログを拝見し、それでも頑張っている人がいるんだ、と思っていたので私は今回の件はあまり気にしていなかったのですが、政府がこの件でコメントすればするほど複雑な気持ちになってしまう自分がいます。(-_-;)
by yes_hama (2014-05-13 22:52) 

doudesyo

yes_hamaさん
今晩は。実際に今なお住んでいる自分からはとても今回の表現はあまりの違いに違和感を持ちました。が、日が進むに連れ、風評被害がまた酷くなってきていて実害が生じ始めたというニュースも流れています。となると、単なる漫画という枠で判断できなくなると思うのです。困ったものです。^^;
by doudesyo (2014-05-14 22:54) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。